管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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1月の国際化学肥料ニュース

* アブダビの国営Adnoc社は2026年1月販売の硫黄FOB価格を520ドル/トンに設定し、2025年12月より25ドル高くなる。前年2025年1月のFOB価格174ドル/トンに比べ、約3倍も上昇した。りん酸肥料の生産に硫酸が欠かせないもので、硫黄の高騰はりん酸肥料の価格に大きな影響を及ぼす。

* 1月2日に締め切られたインドNFL社の尿素国際入札には26社が応札し、応札数量約362万トン(東海岸向け約159万トン、西海岸向け約202万トン)、最低応札価格はKoch社のCFR東海岸426.8ドル/トン、CFR西海岸424.8ドル/トン。前回2025年11月20日に締め切られたIPL社の尿素国際入札の最低応札価格より4.9~8.4ドル高くなった。

* 中国りん酸と化成肥料工業協会の暫定統計データによれば、2025年中国DAP生産量が6%減の1,335万トン、設備の稼働率が64.40%、2024年の67.88%より若干低下した。1~11月のDAP輸出量が23.6%減の332万トン。一方、2026年に約90万トンのDAP新規生産能力が完成し、DAP生産量が1,376万トンに増加すると予測される。ただし、2025年12月から始まった2026年8月までのりん安輸出禁止政策により、2026年のDAP輸出量が大幅に減少すると予測される。

* 中国りん酸と化成肥料工業協会からの情報によれば、2026年中国の肥料MAP生産能力は新規プラントの完成と稼働により、上半期に40万トン、下半期に20万トンの計60万トン増加し、1,917万トンに達する。また、2026年の肥料MAP生産量が1154万トンで、国内需要量約1,070万トン、輸出が約60万トンと予測される。

* 中国窒素肥料工業協会の速報によれば、2025年中国尿素の実生産量が7.9%増の7,113万トン、新記録である。

* ブラジルの国営Petrobras社は支配下のセルジペ州北東部Laranjeiras市にあるFafen窒素肥料工場の操業が12月31日に再開したと発表した。Fafen窒素肥料工場の年間生産能力はアンモニア45万トン、尿素65万トン、硫安32万トンである。
 2019年、Petrobras社は当時のブラジル政府の指示に従い、Fafen窒素肥料工場をブラジルの化学会社Unigel社にリースしていた。しかし、Unigel社が財政難に直面し、2度にわたり破産保護を申請するため、Fafen窒素肥料工場が2024年3月から稼働休止の状態となっている。Petrobras社は政府の肥料分野への投資戦略計画に沿って、2025年4月にFafen窒素肥料工場の支配権回復プロセスを開始し、操業再開に漕ぎ付いた。

* 1月5日、アメリカのWabash Valley Resources社はインディアナ州Terre HauteにWabash低炭素アンモニア工場の起工式を行った。Wabash低炭素アンモニアプロジェクトは年間50万トンのアンモニアを生産し、167万トンの二酸化炭素を回収するいわゆるブルーアンモニア工場である。韓国のサムスン E&A社がEPF(設計・調達・製造)を担当し、2029年に完成する計画である。総投資額約26億ドル、アメリカエネルギー省(DOE)と韓国国土交通部、気候・エネルギー・環境部も資金提供を行っている。

* オーストラリアのWoodside Energy社はアメリカテキサス州Beaumont市に建設しているブルーアンモニアプロジェクトのフェーズ1を完成し、試運転が開始したことを発表した。2026年初頭に商業用アンモニア生産を開始する見込みで、ブルーアンモニアの生産は年後半に開始される予定である。
 2024年8月、Woodside Energy社はオランダのOCI社から23.5億ドルでBeaumontブルーアンモニアプロジェクトを買収した。フェーズ1では年間アンモニア生産能力110万トン、フェーズ2では年間110万トンの生産能力が追加される。Woodside Energy社は2026 年からフェーズ2のFID準備を目指している。

* イタリアのNEXTCHEM社は同じイタリアの化学プラントメーカーBallestra社の全株式を買収する拘束力のある契約を締結したことを発表した。買収価格は約1億2,650万ユーロ、2026年上半期に完了する見込みである。Ballestra 社は、洗剤、界面活性剤、油脂化学製品において長年の実績を誇り、ライセンス供与、エンジニアリング サービス、独自の装置を通じて化学製品製造業者や大手日用消費財 (FMCG) 企業にサービスを提供して、その化学品部門は、肥料製造における主要原料である硫酸とリン酸の高度な製造プロセスに特化している。

* カナダ政府はArianne Phosphate社のLac à Paulりん鉱山開発プロジェクトに最大73.5万カナダドルを拠出することを決めた。資金はカナダ天然資源省(NRCan)の重要鉱物研究・開発・実証(CMRDD)プログラムを通じて提供する。Lac à Paulりん鉱山はケベック州にあり、リン鉱石は火成岩であるため、容易に精製リン酸(PPA)に加工する。生産される精製リン酸はリチウムバッテリー用のりん酸鉄リチウムに使用される予定である。

* 2026年1月1日から導入されたEUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)について、肥料を含む特定の分野に限ってその適用が一時停止する可能性を含む新たな規定に関する指針を発表する予定である。EU委員会は尿素、アンモニア、その他の肥料に対する標準輸入関税の一時的な撤廃も提案する予定である。EU委員会の貿易担当委員Maros Sefcovic氏は昨年12月に提案されたCBAMの第27 a条が「「市場状況が正当化する場合」に特定の商品に対して「一時的な停止」を認める可能性があり、その場合は2026年1月1日から遡って適用されることも可能だ」と述べた。