管理人より
このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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4月の国際化学肥料ニュース
* インドのCIL社はヨルダンのJPMC社から輸入した粗りん酸の2026年第2四半期価格をCFR1360ドル/トンで合意したことを発表した。第1四半期のCFR1290ドル/トンより70ドル高くなった。粗りん酸はDAPまたは化成肥料の原料として使われるもので、イランへの軍事行動による硫黄価格急騰を受け、価格が上昇した。また、4月インドに供給されるアンモニアのCFR価格は、1月中旬よりほぼ41%上昇している。
* トルコ政府は4月7日から硫黄輸出を一時禁止することを発表した。硫黄の輸出規制は4月6日に政府によって承認され、2026年の第2四半期および第3四半期に限定的ケースを除き適用される。輸出禁止措置の発効は中東の紛争により供給不足で、硫黄価格が35〜40%急騰したという理由である。Global Trade Atlasのデータによれば、トルコは2025年に約226,500トンの硫黄を輸出して、主にエジプト、タンザニア、ギリシャ、レバノンに向けられている。
* インドネシア政府は、3月31日~ 4月2日パリ島で開催されるArgus Asia肥料会議に国内の需要を完全に満足する前提で、東南アジアに150万トン化学肥料を提供する用意があると発表した。インドネシアの化学肥料生産能力約1450万トン、世界7番目の化学肥料生産大国で、年間150~200万トン尿素を輸出している。
* モロッコのOCP社は複数の肥料工場での定期メンテナンスを前倒し行うことを発表した。一部の肥料工場が来週からメンテナンスに入る。同社の発表によれば、メンテナンスにより第2四半期の生産能力が最大30%減産される。OCP社はこの決定の理由を明かしていないが、ホルムズ海峡の実質的な閉鎖に伴うリン酸肥料生産に必要な重要な原料である硫黄とアンモニアの供給不足が主な要因となる可能性が高い。昨年モロッコが輸入した硫黄の52%は中東からの供給であった。なお、モロッコは昨年440万トン DAP、271万トン MAP、298万トン重過リン酸石灰( TSP)を輸出した。
* 4月4日、インドIPL社は新の尿素国際入札を発表した。購買数量は西海岸向け150万トン、東海岸向け100万トンの計250万トン、4月15日締切りと開札、6月14日船積み出港という条件である。
* エジプトの肥料メーカーNCICは、4月4日開札された肥料販売入札に於いて、最新の販売価格を発表した。1万トンDAPはFOB780ドル/トンで3社に販売、2.5万トン過リン酸石灰はFOB375ドル/トンでオーストラリアに販売された。それぞれ前回3月4日と3月15日の販売価格より50ドル高くなった。
* 4月6日、マレーシアの国営ペトロナス社は、所有のBintulu工場の尿素プラントが停電により緊急稼働停止されたことを発表した。稼働停止により、1日約2,000トンの尿素が減産される。ただし、発電所は今週末か来週初めまでに再稼働する見込みである。ペトロナスは4月から5月にかけてBintulu工場で45日間の定期メンテナンスを計画していたが、予期せぬ稼働停止によりメンテナンスが遅れる可能性がある。
* インド政府は中東情勢を受け、4月から9月までのカリフシーズン(季節風シーズン)の期間中に窒素肥料とりん酸の補助金を10%増額し、加里肥料の補助金を現状維持すると決定した。政府は今年のカリフシーズンの肥料補助金暫定予算を4150億ルピー(約45億ドル)に設定し、前年同期より430億ルピー増加する。
* 4月8日、アメリカのMosic社はブラジル南東部ミナスジェライス州にある年間生産能力(P2O5換算)24万3,000トンのAraxa 過リン酸石灰工場を閉鎖し、売却することを発表した。同時にミナスジェライス州にある年間りん鉱石採掘量130万トンのPatrocinioりん鉱山での採掘活動も休止する。これによりMosic社のブラジルにおける過リン酸石灰生産量が100万トン/年減少する。昨年12月、Mosic社はすでにパラナ州南部にあるFospar過リン酸石灰工場の生産を停止した。ブラジルの過リン酸石灰生産設備を閉鎖する原因の一つは硫黄価格の高騰で、採算が取れないことといわれる。昨年12月、硫黄のCFRブラジル価格が540~550ドル/トンであったが、2025年4月第1週のCFR価格が720~730ドル/トンに急騰した。
* ベルギーのTessenderlo社の子会社Tessenderlo Kerley社は今年1月に破産申請をしたスウェーデンの硫酸加里メーカーCinis Fertilizer社を買収することを発表した。この買収により、Tessenderlo Kerley社、ÖrnsköldsvikにあるCinisの年間10万トン硫酸加里プラントを取得する。第2四半期中に買収が終了する予定で、買収金額が公表されていない。
* 4月1日、インドネシアのパリ島に開催されているArgus Asia肥料会議に於いて、インドネシアの国営肥料生産会社Pupuk Indonesia、マレーシアの国営肥料生産会社Petronasおよびブルネイの肥料生産会社Brunei Fertilizer Industries (BFI)は、東南アジア肥料協会の設立を発表した。
東南アジア協会は、正式な業界団体として地域の肥料関連課題に取り組み、市場や政策の動向についてより統一された提案をすることを目指している。また、地域全体での肥料供給の確保と、アジア太平洋地域を含むより安定した肥料市場環境の支援にも注力するという。
* 4月1日、オランダのOCI Global社は所有していたOCI Ammonia Holding 社の100%株式を欧州の重要な窒素製品メーカーであるチェコのAGROFERT社に売却したと発表した。OCI Ammonia Holding 社はオランダのロッテルダム港にアンモニア輸入・貯蔵ターミナルのOCIターミナル・ユーロポートとOCIアンモニア流通B.V.を所有して、欧州最重要な輸入アンモニアを取り扱う施設である。今回の売却金額は2億9,000万ユーロとされている。
* 4月2日、インド財務省はNotificationNo.12/2026-Customsを発表し、化学原料の確保、工業製品のコスト軽減および価格安定のために、即日から6月30日までの間に40種類の石油化学原料、プラスチックおよび工業原料に基礎輸入関税(BCD)および農業基礎施設開発付加税(AIDC)を徴収しないことを決定した。今回の輸入免税品目はアンモニア、硝酸、尿素、硝安も含まれている。ただし、アンチダンピング関税やセーフガードによる臨時関税は免除せず、継続することになる。
* 4月3日、アメリカのホワイトハウスが発表した2027会計年度の予算で、アメリカ農務省(USDA)の裁量資金が前会計年度より49億ドル減の208億ドルとなり、19%削減される。ホワイトハウスはUSDAを「肥大化したワシントンD.C.の官僚機構」と指摘し、「核心的な使命に沿わない」プログラムへの資金提供を廃止したいと強調した。
予算はUSDAの再編を要求し、多くの職員をワシントンD.C.から全国の小規模拠点へ移ることを要求する。また、有機栽培を促進するナショナルオーガニックプログラム(NOP)の経費を6100万ドル削減し、国立食品農業研究所(NIFA)の有機転換研究・教育・普及プログラムへの裁量的支出を廃止することにより、公的助成金を5億1,000万ドル削減する。代わりに保健福祉省(HHS)内に新たな「健康なアメリカのための行政(AHA)」を設立することを提案し、食品に「危険な化学物質」を除去する研究開発を支援する。また、アメリカの農場や加工施設の労働力不足問題を解決ために、教育省に短期労働力教育プログラムの見習い制度の拡張や助成金の増加を求める。

